痛風患者ではテロメアが短縮している

Vazirpanah N, et al.
Patients with gout have short telomeres compared with healthy participants: association of telomere length with flare frequency and cardiovascular disease in gout.
Ann Rheum Dis 76(7):1313-1319, 2017
doi: 10.1136/annrheumdis-2016-210538.


「テロメア」とは染色体の末端にある塩基配列の繰り返し構造で、染色体に対して保護的な役割を持つ領域です。細胞分裂のたびにテロメアは短縮しますが、細胞は一定の分裂後に細胞周期が停止して、いわば「老化」した状態となるため、テロメア長は細胞老化の指標とされています。
テロメア長は加齢とともに短くなりますが、慢性炎症によっても短縮することがわかっています。さらに、テロメアが短いと心血管疾患のリスクが高くなることが報告されています。このことから、慢性炎症疾患のひとつで心血管疾患との関連の深い痛風患者において、テロメア長を検討したのが今回の論文です。
痛風患者と対照群の末梢血単核球のテロメア長、およびテロメアを伸長させる酵素テロメラーゼの構成成分であるTERTの遺伝子発現を検討しました。
その結果、痛風患者の末梢血細胞では、健常対象者と比べてテロメア長が有意に短いことが判明しました(例えば全白血球テロメア長(kbp)=痛風患者(N=619) 5924.90±8617.76, 健常対照(N=566) 8242.70±8482.00; p<0.0001)。特に、心血管疾患を有する痛風患者ではそうでない痛風患者より短いことがわかりました。さらに、痛風だけでなく、心血管疾患、心不全はそれぞれ単独でもテロメア長と関係していました。

痛風に関しては、なんども痛風発作を起こしていることや、初回の痛風発作の年齢、罹患年数などと、テロメア長との間に負の関連がありました(すなわち、尿酸コントロールが悪くて痛風発作を繰り返せば、テロメアが短くなる=細胞の老化が進む、ということになりますかね)。一方、テロメラーゼ遺伝子(TERT)の発現には、痛風患者と健常者で有意な差はみられませんでした。このことから、痛風患者でのテロメア短縮は、遺伝子ではなく繰り返す炎症自体によって生じていること、またそのことが細胞老化や心血管疾患と深く関連している可能性があると示唆されました。

ということで、

アンチエイジング(個人的にはこの言葉はどんなものかと思っていますが)をめざす皆様は、尿酸値に気を配って、細胞の「抗老化」を目指していただきたい!?ですね。

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