エビデンス

先週、ある糖尿病関連の講演会で、幸いなことに東京大学の佐々木敏教授のご講演を拝聴することができました。
医師向けの講演会で、タイトルは「食事摂取基準から見た2型糖尿病の予防と管理」ということで栄養士向けとは少し異なるお話でしたが、短い時間ながら非常に勉強になりました。

具体的には、食事摂取基準2015の目指すもの、BMIによる評価について、また食事アセスメントではどの方法でも実際よりエネルギー摂取量が15%程度低く出ること、特にBMIが高い人で過小報告となる(=あるあるですね)こと、また日本人では穀類の摂取減少が食物繊維の摂取量に関連していること・・などさまざまな知見を、糖尿病の食事管理に関わる(私はリウマチ科標榜のため、今はあんまり具体的に糖尿病に関わってませんが(汗))医師向けにわかりやすくご説明いただきました。

その中で印象に残ったお言葉がありまして、

「僕は、”栄養”というものにリファレンスがつかずに話されることに、一番腹が立つんですよ。

“お食事”という枕詞のもとに、エビデンスのない話がされたりするでしょう。

栄養について、栄養士も管理栄養士も、説明するときは、きちんとpublishされた論文を引用しながら説明してほしいと思っています。

PDCAサイクルについても、根拠なくプランを作成してはいけない。まずは必ずアセスメントを行い、そしてエビデンスの元にプランを構築すべきです」


といった内容でした。(細かい文言は異なっていると思いますが、ご容赦下さい)

奇しくも先日、私もこのブログで似たようなことを言っていたため(^-^;;、なおさら「おおっ!!」という感じでした(もちろん私のような者の言葉と、佐々木教授とのお言葉とを並列させるわけにはいきませんが)

栄養士の業界ではしばしば、何より「実務」「経験」が重視されるところもあるようですが、「お食事」ではなく「栄養」のプロフェッショナルを名乗るのであれば、ぜひ、食事摂取基準やその他のガイドラインの根拠となっている論文や、今後の根拠を形作るであろう最新の知見に、適宜当たるようにしていただきたいと思います。

なのでお忙しいとは思いますが、できれば時間を作って興味のある学会や研究会、講演会などにときどき参加してみることをお勧めします。そしてぜひ、管理栄養士の皆様からも、蓄積された実務経験や研究成果を、次のサイエンスを作る情報として学会発表や原著論文(※紀要は除く)の形で積極的に発信していただきたいと思っております。

・・・ちなみに来年1月の病態栄養学会(京都)では予告通り、集まった人で、おばんざいと各種アルコール飲料の相性についての研究を(以下略

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