DHAとEPAの抗炎症効果比較:DHAの方が効果が高め??

皆様こんばんは。
今日は下記を紹介してみたいと思います。
出ましたオメガ3脂肪酸。

Allaire J et al.
A randomized, crossover, head-to-head comparison of eicosapentaenoic acid and docosahexaenoic acid supplementation to reduce inflammation markers in men and women: the Comparing EPA to DHA (ComparED) Study.
Am J Clin Nutr 104(2): 280-287, 2016
http://ajcn.nutrition.org/cgi/content/long/104/2/280

長鎖オメガ3多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)は(※はい、ここまでのところを早口で言ってみましょう)、「炎症を抑制する効果がある(らしい)」ということでよく知られています。
実際に「これらの脂質を摂取したら病気が良くなりました!!(防げました!!)」というエビデンスはまだ確立していない場合が多いと思われますが、例えば高中性脂肪血症の治療などにはすでに用いられていますね。

しかし、EPAとDHAって、実際、効果が違うの??

と言われると、えっどうだっけ?と思ってしまいますよね。

ということで、

今回の論文では、
・肥満のヒト(腹囲基準)(18-70歳)を対象としたランダム化クロスオーバー二重盲検
・下記の3種類のサプリメント(剤型はすべて同じ、1gのカプセル)を10週間ずつ服用。
 (ウォッシュアウト期間は9週間)
  (1) 2.7g EPA
 (2) 2.7g DHA
  (3) EPA/DHAを含まないコーン油(用量はすべて一日量)
そして、血清の炎症や脂質の指標(マーカー)を測定した・・というものです。

ちなみに、上記の油脂を摂取している間、サケやマグロ、イワシなどの魚、その他関連のサプリメント(や油、クルミなど)は摂らないよう指導が入ったとのこと。
サシミ、ダメ、ゼッタイ。違うか。

なお、今回は脂肪酸の「炎症」への効果を見るという目的から、対象者の条件として、「血漿高感度CRPが1-10mg/Lであること」が入っています。
(※内臓脂肪型肥満や動脈硬化と炎症との関連、思い出しておきましょう)

結果は・・・

DHAの方が、EPAよりも炎症マーカー(IL-18)を減少させ、アディポネクチンを増加させる効果が大きい

ということになりました。

ちなみに、CRP, IL-6, TNF-aには両者の間で有意な差はなかったとのことです。

また、脂質の方では、DHAの方が中性脂肪とコレステロール:HDL-C比を減らし、HDL-C,LDL-Cを増加させました。(ただし、DHAによるLDL-C値の上昇は男性では明らかでしたが、女性ではそれほどの違いではありませんでした)。

ということで、

うーん、「IL-18」だけであまり臨床的にはっきりしたことはまだ言えないんじゃないかと思ったりする訳ですが(論文の方でも、脂肪酸摂取が長期的に心血管疾患リスクに対して効果があるかどうかは、もっと検討すべきと言ってますし)、有意差がないとは言え、グラフを見るとTNFa,CRPについてもどちらかと言えばDHAの方が下げてるみたいです(IL-6ははっきりしません)。ただ、今回は被験者が「高感度CRPがやや高め」以外は健康な肥満者、ということで(本当はメタボの人を対象にしたかったとのことですが、それだと数を集めるのが難しかったようです)、今後とも「脂肪酸」を「内臓脂肪対策」や「炎症性病態」に対してどう使っていくかについて、いろいろな研究から情報を集めていきたいですね。

原文はダウンロードできると思いますので、よろしければ読んでみて下さい。

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